海外出産 in アメリカ/Vol.4 自然分娩と無痛分娩(Epidural)

Birth 海外出産Child 子育て

初めての妊娠で、すでに高齢の域。妊娠が判明した後は、色々たくさん調べて準備をしましたが、振り返ってみれば必要のないものも多かった…そんなアメリカでの出産の記録を、メモとして残しておこうと思います。

初めて海外出産を予定している方、これから考えている方など、どこか不安に思っている方に少しでも流れが伝えられたらと、手描きの柔らかなイラストと共に綴っていきます。

自然分娩と無痛分娩 Natural childbirth/Painless delivery

自然分娩とは、医学的介入(麻酔など)を伴わない分娩で、日本において最も一般的です。無痛分娩とは麻酔を用いて、痛みを緩和しながら行う分娩で、主に西洋諸国において一般的です。

アメリカやヨーロッパでは、分娩は大規模な医療施設で行うのが基本で、常勤の麻酔科の先生もいるので、無痛分娩は自然と普及しやすい状態です。比べて日本においては、戦後の歴史的背景もあり、小規模の産科診療所が多く、専門の麻酔医に臨時に来てもらう/もしくは産科の先生が担当するのが一般的で、無痛分娩が普及しにくかった要因でもあるようです。

私も最初は、この文化的ギャップに戸惑い、小さな「産科診療所」をアメリカで探すも皆無で、大規模な医療施設に受診することを不思議に思っていました。

「硬膜外麻酔(いわゆる無痛分娩)」(Epidural:エピデュラル)

先ほど無痛分娩のことを “Painless delivery” と書きましたが、一般的には “Epidural(エピデュラル)” で呼ばれることが主流です。硬膜外麻酔を意味しており、背中からの注射による下半身麻酔でお産の痛みを和らげます。

産婦人科での定期健診でも、分娩方法について硬膜外麻酔(Epidural)を選択するか否かを聞かれました。私の場合、考え中であることを伝えると「実際に分娩台に乗るまでに選んでくれたらいいから。急がずに、ゆっくり考えてね。」と言われただけでした。

さて、日本にいる、私の周りの出産経験者は皆「自然分娩」。当時の私にとって「無痛分娩」は聞きなれない言葉で、「無痛分娩」を選択することに後ろめたさを感じていました。

対照的に、アメリカでの友人・知人は皆「無痛分娩」。産婦人科の先生に尋ねても、「99%の患者さんは無痛分娩を選択しているわ。」という返答。あまりにも対照的な答えに、私は大いに悩みました。

赤ちゃんを迎える場面を想像して、じっくり考える(私の体験談)

私の場合、片っ端から現地の友人たちに尋ねて、友人が貸してくれた辞書のように分厚い出産・育児本を読み…、出産にまつわるポッドキャストを毎日聞いて…、自分なりの理解を深めて、出産予定日を間近に控えるまで大いに悩み、考えました。

最終的な判断は、「出産後、赤ちゃんを育てていく環境」を考えて決めました。私たちの場合…

  • 田舎に住む両親ともに高齢で、アメリカまではるばる来てサポートは無理。(家族のサポート無し
  • コロナウイルスがメディアを騒がす直前で、雲行きの怪しさを感じていた。(友人のサポートも難しそう
  • よって夫とふたりだけの育児で、体力を温存しておきたい。(高齢出産だしね…)

上記の理由で、「無痛分娩」を選択しました。

「自然分娩」を選択する場合も、ご安心を。近年、自然に親しみゆっくりと暮らす「オーガニック」な生活が見直され、自然分娩を選択する人もいます。考えてみれば、2世代昔は家庭で分娩することが当たり前でした。

私が住んでいた街でも、自然分娩をサポートする施設がありました。助産婦や施設の紹介、各種相談を承っているようです。もちろん大規模な医療施設でも、自然分娩を選択する方も受診しています。「Birth center」、「Natural childbirth class」などのキーワードで調べてみたり、受診されている先生に相談してみるといいでしょう。

即座に答えを出す必要なし!じっくり考えて、整理していけるといいですね。

それではまた、どこかで。ふわりとお会いしましょう!

海外出産 in アメリカ 過去の記事はこちらより

海外出産 in アメリカ/Vol.1 はじまり
アメリカでの海外出産についてご紹介していきます。第1回目は、妊娠が判明してから、保険の種類やプランが妊娠/出産をカバーしているかの確認。次に、病院選びや病院での初診の流れについて説明しています。初めての病院での初診は、カルテ作りから始まります。医療用語も多く、慣れない診察にとても緊張したのを覚えています。予約を取った後の、初診での受付/診察の流れを、手描きの優しいイラストと一緒に紹介をしています。
海外出産 in アメリカ/Vol.2 サプリメント (Prenatal Vitamins)
初めてアメリカで海外出産を予定している方、これから考えている方など、どこか不安に思っている方に少しでも流れが伝えられたらと、手描きの柔らかなイラストと共に綴っていきます。アメリカの妊婦用サプリメントの種類や成分について、妊娠初期・中期・後期などそれぞれの時期に応じた妊婦用サプリメントとの付き合い方についてご紹介しています。
海外出産 in アメリカ/Vol.3 両親学級(Childbirth Class)
アメリカでの海外出産についてご紹介していきます。第3回目は、両親学級 : Childbirth Preparation Classes/Childbirth Class(プレママ&パパ教室、セミナー、両親学級…など)について。初めて出産を迎える親へ、出産に向けた準備や知識を教える教室を、手描きの優しいイラストと一緒に紹介をしています。
海外出産 in アメリカ/Vol.5 出産までに準備するもの
赤ちゃんを迎えるまでに揃えたいものとして、カーシートなどの家具から毎日欠かせないケア用品まで出産準備リストをまとめてみました。また、出産入院した際の経験談もご紹介しています。初めての海外出産を予定する方へ、手描きの柔らかいイラストと共に綴っています。