ヘナを続けていく。これからのサロンの在り方を思う

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30を過ぎたころから、ぽつぽつと白く変わった髪が見られるようになり、それはそれは長い歳月を「髪染め」について考えてきました。住む場所が、世界各地を転々と移ったことも、手法が定まらなかった原因でもあります。

ヘアサロンでの施術、市販のヘアカラーや白髪染めを試して、最後はヘナへ。急用や、仕事、出産や育児などで、ヘナから離れる時期もあり、「あらゆる市販のヘアカラー → ヘナ」という流れを繰り返し、ようやく落ち着いたのは、ヘナでした。理由は、自分なりに上手に、手早く塗って、待ち時間の過ごし方や匂い対策などと、ヘナと付き合う術を確立できたからと思っています。

そして、世界中で暮らしても手に入りやすく(インドや中東などのコミュニティがある場所は多く、ドイツではスーパーでも販売されている)、髪に優しい植物由来の毛染めというのもポイントです。

ヘナをすると周りの人の反応が気になる

初めは、まさにその通りでした。家族に「草の匂いがする。」「草臭い。」と言われると、正直少し心が折れます。ただ、仕上がりに関しては個人的には、とても満足していました。髪色もしっかり染まり、艶もあり、髪も健康的に感じられて、今でもヘナ以上の仕上がりになるものとは出会っていません。

私は自分がヘナをしていることを、聞かれない限り話さないし、「皆それぞれ」だと思っているので、特別勧めたりもしません。

ヘナを見つめ直すきっかけとなった出来事

それは、ドイツのヘアサロンで、カットをした時のことでした。
穏やかな雰囲気のサロンで、カットを済ませて席を立つ前に、ふと「ヘアカラー」について話しかけられました。肌に優しい「ヘナ」をサロンでも取り入れているという説明を受けました。

担当しているのは、美容学校を卒業したばかりのアシスタントさん。長いカールヘアにナチュラルな雰囲気の女性で、「卒業制作としてヘナやハーブの調合について研究したこと」を気さくに話してくれました。

サロンの壁には、たくさんの大きな丸い瓶が並んでいて、それらはすべて彼女が研究して調合したもの。「どんな色でも再現できるから、興味があったら相談してください。髪質の悩みでも大丈夫です。」と言われて挨拶をし、サロンを出ました。

…さて、今までヘアサロンへ行く際に、一番「嫌だな…」と思っていたことは、「ヘアカラーは何を使用していますか?」と聞かれること。「ヘナです。」と私が答えた所で、肯定されたことが無かったこと。

私自身長く生きてきた中で、一番健康的な仕上がりを感じられて、尚且つ長く付き合っていけるものとして時間をかけて出した答えなんだけどな…、とかみ合わない会話に相槌を打ちながら、悲しい気持ちでした。それ以来、一般的なヘアサロンは避けるようになりました。

ドイツのヘアサロンでの体験が、ヘナを使うことの後ろめたさを吹き飛ばしてくれました。どんなに小さな事柄でも、年齢に関係なく同じように思っている人はいるということ。

誰しも年は重ねるもの

こんなことを書いてはいますが、20代の頃の私は髪の悩みも無く、「ヘナ」について深く知りませんでした。そして、ヘナは「年を重ねた人が使うもの」というイメージを勝手に持っていました。今でも、一般的な見方では、ネガティブなイメージを抱く人が多いように思われます。

誰しも皆、年を重ねてゆく。皆それぞれのペースで、髪質の変化や何かに気付いていくかもしれない。
そんな時に「色んな答えがある」ことを伝えられたらと思います。大手メディアが拡散するイメージに惑わされないで、それぞれにあるはずの答えに辿り着けたらいいですね。

ヘナを続けるには…

「ドロドロとしたヘナを塗布すること」、「ヘナを塗布した状態での1~3時間の待ち時間」、「ヘナの香り」。おそらく、この3つの点がヘナを続けられない原因によく上がることと思われます。(アレルギーを除いて)

検索すれば、それぞれの悩みに様々なコツが出てきます。例えば「匂い」には、「ヘナを洗い流した後に紅茶で濯ぐ」やら、「ハーブシャンプーで洗う」などといったもの。

私自身は、特に何もしていません。「ヘナ100%(オレンジ色)」や「ヘナと藍が調合されたもの(茶~こげ茶色)」を交互に使用しているので、ヘナに同封された手順書を守っています。(藍は色が出るのが早く、待ち時間は短くなるため)それこそ色々なコツを試しましたが、さほど結果に差を感じませんでした。

気にしているのは、ヘナをするタイミング。ヘナをした翌日は、太陽の下で過ごすことと、なるべく人に会う約束は入れないこと。また、日本の真夏の暑い時期は、ヘナではなく市販のヘアカラーを使うこともあります。汗をかきやすい時期なので、ストレスのない範囲で続けています。

ヘナを使ってると、ヘアサロンに行きにくい…。どこかで同じような、もやもやとした気持ちを抱いている人に届きますように。そして、王道では無い、少数派の考えを持つ人へ、「ここにいるよー!」という気持ちを込めて。

それでは、また。

ふわりと、お会いしましょう♪