カーテンを開ける。澄んだ秋空の色、ひんやりと触れる風、部屋を照らす日の光。
「おはよう。」と呼び合う声。
わが家の朝ご飯は、小さい頃からお味噌汁とご飯。少し不思議なのは、食後に母がハンドドリップした珈琲が出てくること。
天気の良い週末の朝は、どこか特別な雰囲気が漂います。ただ、人気が少ないだけかもしれないけれど…。そんな時、ふとテネリフェ島で飲んだ珈琲、「バラキート・エスペシアル」を思い出すのです。
カナリア諸島の名産は、小さめで甘みのあるバナナとワイン。
島内には、様々なワイナリー点在しており、ワインテイスティングも楽しめます。
写真は、私がテイスティングをした海沿いのワイナリーからの眺め。
バラキート・エスペシアル / BARRAQUITO ESPECIAL
カナリア諸島・テネリフェ島の、特徴的なコーヒーの飲み方です。
まず基本的な「バラキート」。3層に分かれていて、一番底にコンデンスミルクの層、そして濃い珈琲の層、そしてフォームミルクの泡の層。
「バラキート・エスペシアル」には、香り高いリキュールの層が加わり、シナモン、レモンの皮がトッピングされます。シマシマで、見た目も華やか。
ガラスのしゅっとしたグラスで作られ、濃厚な味が魅力です。
Teide National Park (テイデ国立公園)より。
テイデ山(もしくはピコ・デル・テイデ/Pico del Teide)を望む。
噴火による堆積物は、色が黒く濃いものほど新しく噴出したもの。
私が初めて飲んだのは、地質の調査で家族として付き添いで訪れた時の事。早朝から、なぜか4WDの荷台(外の席)に乗り込み、風に吹かれて、揺られて、山へ登る途中に寄った小さなカフェでした。
風に吹かれて、振動も激しく、お店に着いた時は ふらふら、へとへと…。濃い顔つきに、にっこりとした笑顔のお兄さんが入れてくれた「バラキート・エスペシアル」は、パンチのある味で、一口で疲れが吹っ飛んだのを覚えています。
苦みと甘さ、リキュールの深みと柑橘系のアロマ。それらがギュッと詰まった濃厚な飲み物。
ちょっとパワーが欲しい時や、疲れた時、エナジードリンクとして身近にあったら…と今でも、時おり思い出しては恋しく思っています。何だか疲れた時に飲みたくなるのです。どこかコーヒー屋さんで作らないかな。
眺めて楽し、伝統的な木彫りの扉や窓のデザイン
写真はテネリフェの小さな村より。カナリア諸島といえば、ヨーロッパでの休暇地として人気の場所。海沿いには、ホリデー向けの大型宿泊施設やレストランなどの観光客向けの店が並びます。
そんな繁華街から離れた、郊外にある小さな村のお家のドアは、ひとつひとつ木彫りで作られています。光のような、花のような、太陽のような…デザインのモチーフは似ているのだけど、一つとして同じものは無く。時を経て深みを増す木の色と、真鍮の柔らかなデザインの金具が印象的でした。
カナリア諸島・テネリフェ島の伝統的な建築といえば、木造でできた装飾が美しいバルコニー。
そして屋根には、かまぼこのような形をしたアーチ状の瓦に、3層に分かれた特徴的な窓枠の形。
一番下の小さな窓枠は、ちらりと外を伺う時に使うもの。
小さな村は、歩いて散歩をするのもお勧めです。重厚感のある、木彫りのドアや窓のデザインを眺めながら歩いていると、時を忘れてしまいます。
もし、長く滞在するのであれば、フェリーに乗って隣の島々を訪れてみては。島を巡るのも、カナリア諸島で過ごす楽しみの一つです。
それでは、また。
ふわりとどこかでお会いしましょう!