11月を過ぎると、街の雰囲気がどこかそわそわ。少しずつ、日に日にクリスマスの飾りが、街のあちこちを彩り始めます。そして、あっという間に年末に…。この時期は、時が過ぎるのがとても速く感じて惜しいのだけど、とても好きな時期でもあります。
アドベント・カレンダーを贈り合い、クリスマスまでの時を楽しむ
ドイツに住んでいた頃、12月25日のクリスマスへ向かうまでの4週間の時をアドベント(待降節 読み:たいこうせつ)と呼び、家族や友人など大切な人へアドベント・カレンダーを贈り合います。
アドベント・カレンダーとは、クリスマスまでの時を楽しむもので、カレンダーの窓を1つずつ開けると、お菓子などのお楽しみが出てくるという仕掛け。
「カレンダー」と言っても様々な種類があります。私の周りの人で見聞きしたものでも…
- 「お菓子」のアドベント・カレンダー
ハロウィンが過ぎるとスーパーマーケットでは、お菓子の入ったアドベント・カレンダーが所狭しと並びます。有名なブランド(Lindt 読み:リンツ、Niederegger 読み:ニーダーエッガーなど)から庶民的なメーカーまで様々で、凝った包装箱が目を惹きます。 - 「小物」が入ったアドベント・カレンダー
ビューティーコスメや、ファッション小物、お茶やコーヒーなどの食品…と、色々なものが入ったタイプ。昨年は、性に関する小物のアドベント・カレンダーのCMがテレビで何度も流れていました。小さな子どもがテレビを見る時間でも、バンバンCMが流れてくるので「あわわわ…」と少しびっくり。 - 自分でDIYする「写真」アドベント・カレンダー
予めDIYキットが販売されており、25枚の写真を用意して窓に入れていくだけ。私の友人は、彼氏との思い出の写真を入れてプレゼントしていました。写真に限らず、DIYするタイプも人気のようです。
クリスマスマーケットが始まり、グリューワインと共に楽しむ
11月中旬から下旬にかけて、街の広場や、教会の周りなどでクリスマス・マーケットが始まります。それぞれのマーケットに特色があり、店数の少ない小規模なものから、約300軒も並ぶ大規模なものまで様々。
お酒など飲み物や軽食を出すスタンドから、ドイツ南部で作られる伝統工芸品の木製のおもちゃを並べるお店、ファッション小物や地元アーティストのお店など、幅広いジャンルのお店が並びます。
そして、「グリューワイン」。クローブ、シナモン、スターアニスなどのスパイスやシロップをワインに入れて温めたもの。クリスマス・マーケットは屋外で行われることが多く、寒い冬には欠かせない飲み物です。グリューワインを片手に、ポカポカと温まりながらマーケットを観てまわりましょう。
飲み終わったら、カップをお店に返すと代金が一部返金されます。
大きなマーケットでは、グリューワインのカップを毎年デザインしているので、気に入ったものと出会ったら記念に持ち帰ってもいいですね。
聖ニコラウスの日は、ブーツをピカピカにして迎える?
毎年12月6日は、「聖ニコラウスの日 St.Nikolaustag」。もともとクリスマスの日にプレゼントをもらうという風習は無く、12月6日にニコラウスからプレゼントをもらうのが伝統だったそう。
今でも、「前日にきれいにブーツを磨いて、玄関の前に並べると、当日にチョコや木の実などの小さなプレゼントを届けてくれる」という話をよく聞きます。
わが家は、子どもの靴を出すか迷って結局出さなかったのですが、親切なご近所さんからの贈り物で、色々なプレゼントが入った可愛らしい袋がドアノブに下がっていました。
また、スーパーマーケットなどのお店でも「聖ニコラウス」を模ったチョコレートが沢山並びます。小さなものは、温かな手で握っているとぐにゅりと溶けてしまうので、ご注意を!
クリスマスは、家族や大切な人と過ごす時間
クリスマスは、まさに日本のお正月。大切な人が集まり、再会し、喜びを分かち合う大事な時間です。さて、どことなく肌寒くなり、鮮やかなクリスマスの飾りがちらほらと見かける季節となりました。
クリスマスのプレゼントもいいけれど、その日を迎えるまでの楽しみとしてアドベント・カレンダーを始めてみたり、グリューワインで温まったりするのも、いつもと違って面白いかも。
わかる人にはわかるかもしれないので…実はトップの写真は、冬のラトビア(バルト三国の一つで、真ん中に位置する)を旅した時のもの。ドイツでしばらく暮らしていたものの、肝心のクリスマスマーケットの写真でいいものが見つからず、雰囲気が似ているこちらの写真を使用しています。
それでは、どうか暖かく。また、ふわりとお会いしましょう!