小さい頃から、山や草原、海や渓流など人気のない場所へ行くことが多かった私。国内でも海外でも、街へ出かけるのは楽しい反面疲れやすく、人混みが苦手です。
旅の途中に寄った、オーストラリア南西部、フィッツジェラルド・リバー国立公園。
永遠に続く緑の大地が海へと流れるように広がる景色を見た時、静かで広大な世界に立ち尽くして、「こんな場所をずっと探していたんだ!」と、海からの風が心の中にも吹き抜けた気がしました。
フィッツジェラルド・リバー国立公園についての、一つ前の記事はこちら
さて、フィッツジェラルド・リバー国立公園には、ここにしか生育していない植物が数多く自生しています。(少しうろ覚えなのですが、国立公園に自生している全ての種の約30%は、ここが原産の植物だったような…。)
ここで一番初めに出会って、しばし観察をしていたのが今回のタイトル、Verticordia fimbrilepis。
日本語で発音すると、「フィンブリレピス」が近いかなと思います。
別名では、 “ shy featherflower ” とも呼ばれています。「恥ずかしがりやな羽の花」とでも訳しましょうか。小さく、儚げで、控えめな佇まい。近くで見ると、とても繊細で美しい花です。
30㎝~70㎝ほどの低緑樹で、花の色には濃淡があり、薄桃色からベージュピンクとグラデーションがあります。
一番の特徴は、花をそっと包むような羽の花びら。本物の羽のように、ふわふわとしていて、小さな小鳥の子の産毛のよう。
羽の部分は、額なのか?花びらなのか?…当時は花の名前が分からず、見た目の印象からキーワードを並べては探すを繰り返して、「フィンブリレピス」という名前を見つけるまで、とても苦労した覚えがあります。
国立公園を管理しているスタッフが発表した調査文章のようなものを探して読んだのですが、肝心な「額か?花びらか?」という事については、忘れてしまいました。…すいません、落ちが無くて。また、あの調査文章を探して読むのが、今の私には少し億劫で… いつか判明したら、記載します!
好きな花は?と聞かれると、真っ先に思い浮かべる花の一つです。誰にも通じないので、わざわざ言う事はないのですが…
「フィンブリレピス」という名前も、つぶやけば、どこかおまじないのようにも聞こえませんか?
そんな所も、気に入っています。
それでは、次回もふわりとお会いしましょう!