海外で生活をしていて、学校や職場、イベントやコミュニティなど、おそらく様々な場面で耳にする言葉「ポットラック・パーティー。”POTLUCK PARTY“」。
カジュアルで小さな集まりから、大人数のパーティーまで様々ですが、多様性のある社会において、新たな出会いを始めるのに、ポットラック・パーティーほど合理的で、気を張らずに参加できるイベントは無い気がしています。私も、転々と世界各地で暮らしてきましたが、色々な場面で参加や企画をしてきました。
ポットラックパーティーて?
主に北アメリカで使われている言葉だと思います。とは言え、今は世界各地で耳にする機会があるでしょう。簡単にいくつか、どういうパーティーなのかを書いてみましょう。
- 参加者各自が食べ物、飲み物などを持ち寄るパーティー。
- 日時や場所を決めてしまえば、会場を盛り上げる「主催者」を作る必要がない。
- それぞれが持ち寄った食べ物・飲み物を、自分のペースで自由に楽しめる。
- 持ち寄ったもので、初対面の人との話のきっかけを見つけやすい。
- それぞれ自分の予定に合わせて、気を遣わずにパーティーから立ち去ることができる。
- すべてにおいて、「気を張らない、遣わない」がポイント。
簡単に概要を挙げてみると、こんな感じでしょうか。
社会の多様性を知るのにぴったりな理由
世界各地の大きな都市には、世界中から様々なバックグラウンドを持つ人々が移民・難民として集まっています。皆それぞれに、異なる宗教、民族、文化や価値観を持つ人たちです。同じ宗教でも、住む地域が異なると、それぞれに習性やアイデンティティが異なります。
そうすると単純な話ですが、「食べるもの、食べないもの」も違うのです。
また、アレルギーや体調、体質、食に対する姿勢(ベジタリアン、ビーガンなど)などを理由とする場合もあります。
ポットラック・パーティーは、それぞれ参加者が無理せずに持ち寄れるもの、自分が食べられるものを持ち寄ります。「食べられないもの」がある人は、料理を食べる時に、持ち寄った人に個別に「何が料理に使われているか/材料」を聞くでしょう。
同じパーティーでも、とても凝った料理を準備する人もいれば、とても単純な「ホットケーキ」のような料理やスナック菓子などの既製品を持ち寄る人もいます。
皆それぞれに違う文化や価値観を、一つにまとめるのではなく、それぞれの姿勢でゆるく楽しむ。それがポットラック・パーティーの魅力かなと思います。
もちろん、例外もあり。どんな「集まり」なのかをチェック!
様々な人が集う語学学校、コミュニティ、近所や同じアパートメントの人たちなど、大人数が集うイベントでは、特に気にすることはないでしょう。
少人数の集まりの場合、どのような人たちが集まるのか、参加者について予め知っておくと、スムーズにパーティーを楽しめることがあります。
- 例えば…参加者が、ほぼ皆ビーガン。食に対するポリシーがある人が多い場合。
- 例えば…参加者が、ほぼ皆同じアイデンティティを持つ場合。(宗教や民族など)
そんな集まりで、ほぼ皆が食べられないもの、見たくないものを持ち寄ると、参加者が小人数の場合はコミュニケーションに影響する可能性があります。基本的には、ポットラック・パーティーでは寛容な姿勢の人が多いのが私の印象ですが、自分の価値観で態度を示す人も居るので。
前もって確認してみよう!【聞き方】
参加するポットラック・パーティーに不安や心配がある場合は、メッセージや、普段の会話で参加者に直接聞いてみましょう!
・カジュアルな場面で… Do you have any food preferences? 「食について、何か好みとかある?」 Do you have any food allergies or preferences? 「何かアレルギーとか好みってある?」 ・職場などフォーマルな場面で… Please let us know if you have any special dietary needs. 「特別な食事が必要な場合はお知らせください。」
初対面の相手との会話に困ったら【トピック】
持ち寄ったものについて質問してみましょう。異なる文化や背景を持つ人と話す時に、「よく分からないから、話せない…」、「知らないから、失言をしてしまいそう…」と物怖じをせずに、肩の力を抜いて「わからない/知らないから、教えてくれる?」といった姿勢で挑んでみては。
- 美味しいと思うものがあったら「レシピ教えて!シェアして!」(よく使う!)
- 普段は「どんな食事をしているの?どんな文化があるの?何が流行ってる?」
- 相手の出身地の郷土料理で、「何が一番恋しい?どんな料理なの?」…etc
日本に居ると、自己主張が強い=印象が悪く思われそう…と感じる方も多いかもしれませんが、海外に出ると、ほぼどの国の人も「自分の意見/考え」をはっきり伝える人が多いです。
様々な人種や民族、バックグラウンドが異なる人が集まる都市では、相手があなたについて「偏見」だけで話すこともしばしば。(あなたについて、知らないので。)そんな時は、飲み物・食事を片手に、簡単な単語でもいいので「伝える」練習をしてみましょう。
そう、忘れないで。ポットラックはカジュアルなパーティー♪
どうか物怖じせずに、素敵な時間が過ごせることを祈っています。
それでは、また。ふわりと、どこかでお会いしましょう!